Apple siliconのVirtualBoxにUbuntu 24.04 LTSをインストール

VirtualBox にUbuntu Server 24.04 LTS をインストールする手順の解説です。

VirtualBox のインストールは「Mac(Apple silicon)にVirtualBoxをインストール」をご参照ください。

環境

  • MacBook Pro / M1 Pro チップ (Apple silicon)
  • macOS Sonoma (14.6)
  • VirtualBox (7.1.4)
  • Ubuntu Server (24.04.5 LTS) – 64bit ARM

Ubuntu Serverのダウンロード

Ubuntu のサイトにアクセスします。

メニューの[Get Ubuntu] をクリックします。

左のメニューの[Server] をクリックし、緑のボタン[Get Ubuntu Server] をクリックします。

青いリンク[Alternative architectures] をクリックします。

青いリンク[ARM] をクリックします。

緑のボタン[Download 24.04.1 LTS] をクリックすると、ISOファイルがダウンロードされます。

ARM64 向けのイメージファイル ubuntu-24.04.1-live-server-arm64.iso がダウンロードされました。

続けて、チェックサムのファイルをダウンロードします。
青いリンク[Alternative and previous releases] をクリックします。

[24.04.1/] をクリック、続けて[release/] をクリックします。

下にスクロールすると、チェックサムSHA256SUM のリンクがあります。

SHA256SUMSHA256SUM.gpg をダウンロードします。
※ Control キーを押しながらクリックし、ショートカットメニューの[リンク先のファイルをダウンロード] をクリックしてダウンロードします

チュートリアル(以下のリンク)に記載されている手順を参考に、ダウンロードしたISOファイルに破損などがないか検証します。
※ gnupg のインストールは既にインストールされていたので省略
※ coreutils のインストールはsha256sum の代わりにshasum を使うので省略

# Ubuntuの鍵サーバから公開鍵を取得してキーリングにインポート
% gpg --keyid-format long --keyserver hkp://keyserver.ubuntu.com --recv-keys 0x46181433FBB75451 0xD94AA3F0EFE21092
gpg: key D94AA3F0EFE21092: public key "Ubuntu CD Image Automatic Signing Key (2012) <[email protected]>" imported
gpg: key 46181433FBB75451: public key "Ubuntu CD Image Automatic Signing Key <[email protected]>" imported
gpg: Total number processed: 2
gpg:               imported: 2

# キーリングにインポートした公開鍵のフィンガプリントを確認
% gpg --keyid-format long --list-keys --with-fingerprint 0x46181433FBB75451 0xD94AA3F0EFE21092
pub   rsa4096/D94AA3F0EFE21092 2012-05-11 [SC]
      Key fingerprint = 8439 38DF 228D 22F7 B374  2BC0 D94A A3F0 EFE2 1092
uid                 [ unknown] Ubuntu CD Image Automatic Signing Key (2012) <[email protected]>

pub   dsa1024/46181433FBB75451 2004-12-30 [SC]
      Key fingerprint = C598 6B4F 1257 FFA8 6632  CBA7 4618 1433 FBB7 5451
uid                 [ unknown] Ubuntu CD Image Automatic Signing Key <[email protected]>

# 署名を使ってチェックサムファイルを検証
% gpg --keyid-format long --verify SHA256SUMS.gpg SHA256SUMS
gpg: Signature made Fri Aug 30 01:12:11 2024 JST
gpg:                using RSA key 843938DF228D22F7B3742BC0D94AA3F0EFE21092
gpg: Good signature from "Ubuntu CD Image Automatic Signing Key (2012) <[email protected]>" [unknown]
gpg: WARNING: This key is not certified with a trusted signature!
gpg:          There is no indication that the signature belongs to the owner.
Primary key fingerprint: 8439 38DF 228D 22F7 B374  2BC0 D94A A3F0 EFE2 1092

# ISOファイルのチェックサムを検証
% shasum -c SHA256SUMS 2>&1 | grep OK
ubuntu-24.04.1-live-server-arm64.iso: OK

29行目のようにOK と表示されていれば問題なしです。

使い終わった公開鍵をキーリングから削除します。

% gpg --delete-keys 843938DF228D22F7B3742BC0D94AA3F0EFE21092
gpg (GnuPG) 2.4.5; Copyright (C) 2024 g10 Code GmbH
This is free software: you are free to change and redistribute it.
There is NO WARRANTY, to the extent permitted by law.


pub  rsa4096/D94AA3F0EFE21092 2012-05-11 Ubuntu CD Image Automatic Signing Key (2012) <[email protected]>

Delete this key from the keyring? (y/N) y

% gpg --delete-keys C5986B4F1257FFA86632CBA746181433FBB75451
gpg (GnuPG) 2.4.5; Copyright (C) 2024 g10 Code GmbH
This is free software: you are free to change and redistribute it.
There is NO WARRANTY, to the extent permitted by law.


pub  dsa1024/46181433FBB75451 2004-12-30 Ubuntu CD Image Automatic Signing Key <[email protected]>

Delete this key from the keyring? (y/N) y

% gpg --list-keys

Ubuntu Serverのインストール

1. VirtualBox を起動

VirtualBox アイコン

Launchpad のVirtualBox アイコンをダブルクリックします。

VirtualBox のウィンドウが表示されました。

2. 新しい仮想マシンの作成

メニューの[新規] をクリックします。

以下のように入力します。

  • 名称
    • 任意の仮想マシンの名前を入力
  • ISOイメージ
    • ダウンロードしたISOファイルを選択
  • 自動インストールをスキップ
    • チェックをON

他のアコーディオンメニューの中を見てみます。

自動インストールは、”自動インストールをスキップ” をON にしたので非活性になっています。

ハードウェアは、メモリーのサイズやCPU のプロセッサ数を変更できるようになっています。

ハードディスクは、ディスクのサイズ等を変更できるようになっています。

全て設定し終わったら[完了] をクリックします。

作成した仮想マシンの情報が表示されました。

3. 仮想マシンのネットワークの設定を変更

メニューの[設定] をクリックします。

左のメニューの[ネットワーク] をクリックします。

[アダプター2] の”ネットワークアダプターを有効化” のチェックをON にし、割り当てをホストオンリーネットワークにします。

[OK] ボタンをクリックして設定のウィンドウを閉じます。

4. 仮想マシンの起動

メニューの[起動] をクリックすると、仮想マシンのウィンドウが表示され、Ubuntu ServerISO ファイルを使ったインストールが始まります。

ウィンドウが小さく字が読めないので、メニューの[View] > [Virtual Screen 1] > [Scale to 200%] などを指定してサイズを大きくします。

ブートローダーが起動しました。

Try or Install Ubuntu Server” を選択してEnter キーを押下します。

  • Enter せずに放置すると、ハイライトされているエントリで処理が開始されます
  • キーボードとマウス操作がゲストOS 側(仮想マシン内)にある状態になるので、ホストOS 側(macOS)に戻したい場合はホストキーが割り当てられている左の[command] キー を押下します

5. 言語 – select your language

インストーラとインストールするOS のデフォルトの言語を選択します。

English” を選択してEnter キーを押下します。

6. インストーラの更新 – Installer update available

最新版のインストーラーに更新するか選択します。

今回は更新するので、下の[Update to the new installer] を選択してEnter キーを押下します。

7. キーボード – Keyboard configuration

使用している環境に合わせたキーボードを選択します。

今回は”Japanese” を選択します。
Layout で”Japanese” を選択すると、Variant も”Japanese” に変わりました。
下の[Done] を選択してEnter キーを押下します。

8. インストールの種類 – Choose the type of installation

インストールの種類を選択します。

今回は”Ubuntu Server” を選択して、[Done] でEnter キーを押下します。

  • Ubuntu Server
    • デフォルトの構成。快適に使えるよう厳選されたパッケージが含まれている
  • Ubuntu Server (minimized)
    • 最小の構成

9. ネットワーク – Network configuration

ネットワークの設定をします。

ネットワークアダプターに割り当てられたIPv4 アドレスが表示されています。
今回はこのままの状態で[Done] でEnter キーを押下します。

10. プロキシサーバ – Proxy configuration

プロキシサーバの設定をします。

今回はプロキシサーバを設定しないので、このままの状態で[Done] でEnter キーを押下します。

11. ミラーサーバの設定 – Ubuntu archive mirror configuration

Ubuntu のミラーサーバの設定をします。

GeoIP で取得した位置情報を使って選ばれたミラーサーバが自動で入力されています。
今回はこのままの状態で[Done] でEnter キーを押下します。

12. ストレージ – Storage configuration

ストレージの設定をします。

今回は記憶領域全体を使うので、”Use an entire disk” が選択された状態で[Done] でEnter キーを押下します。

  • LVM (論理ボリューム) を設定しない場合は、”Set up this disk as an LVM group” のチェックをOFF にします

ディスクのパーティショニングの設定をします。

パーティションのデフォルトの構成が表示されています。
今回はこのままの状態で[Done] でEnter キーを押下します。

13. インストール実行の確認 – Confirm destructive action

ここで[Continue] をクリックするとディスクのフォーマットが始まり後戻りできなくなるので、データが削除されてもよいのかの確認です。

[Continue] を選択してEnter キーを押下します。

14. プロファイル – Profile configuration

sudo が利用できるadministrator 権限のユーザーを作成します。

  • Your name
    • フルネームなど (任意)
  • Your servers name
    • ホスト名 (hostname)
  • Pick a username
    • ログイン時にユーザーの識別子として入力するユーザー名
  • Choose a password / Confirm your password
    • ユーザーのパスワード

任意の値を入力して、[Done] でEnter キーを押下します。
※ 上の画像では全て”ubuntu” の悪い例です

15. アップグレード – Upgrade to Ubuntu Pro

Ubuntu Pro にアップグレードするかの確認です。

今回はアップグレードしないので、”Skip for now” が選択された状態で[Continue] でEnter キーを押下します。

16. SSHサーバ – SSH configuration

OpenSSH サーバの設定をします。

今回はOpenSSH サーバをインストールするので、”Install OpenSSH server” のチェックをON にして、[Done] でEnter キーを押下します。

  • “Import SSH key” で、プロファイルの設定で作成したユーザーのSSH 公開鍵認証に使う公開鍵をGitHub やLaunchpad から取得して登録することができるようです(今回はやりませんでした)

17. Snapパッケージ – Featured server snaps

追加するパッケージを選択します。

今回は追加しないので、何も選択しないで[Done] でEnter キーを押下します。

このタイミングで、Ubuntu Server のインストールが開始されます。
インストールが完了するまで、そのまま待機します。

18. インストール完了 – Installation Complete!

“Installation complete!” と表示され、下に[Reboot Now] のボタンが表示されたらインストール完了です。

続けて、Ubuntu Server をインストールした仮想マシンを起動します。
[Reboot Now] を選択してEnter キーを押下します。

19. Ubuntu Server 起動・ログイン

Ubuntu Server の仮想マシンが起動します。

Failed unmounting cdrom.mount – /cdrom” と表示されました。インストールメディアのマウント解除に失敗したようです。
とりあえずEnter キーを押下します。

ubuntu login:” と表示されました。
登録したユーザー名を入力しEnter キーを押下し、続けて”Password:” と表示されたらパスワードを入力してEnter キーを押下します。

Ubuntu のプロンプトの入力ができる状態になりました。ログイン成功です。

正常にインストールできているようです。

インストール直後の状態の確認

ターミナルで確認します。

$ uname -a
Linux ubuntu 6.8.0-50-generic #51-Ubuntu SMP PREEMPT_DYNAMIC Sat Nov  9 18:03:35 UTC 2024 aarch64 aarch64 aarch64 GNU/Linux

$ cat /etc/os-release
PRETTY_NAME="Ubuntu 24.04.1 LTS"
NAME="Ubuntu"
VERSION_ID="24.04"
VERSION="24.04.1 LTS (Noble Numbat)"
VERSION_CODENAME=noble
ID=ubuntu
ID_LIKE=debian
HOME_URL="https://www.ubuntu.com/"
SUPPORT_URL="https://help.ubuntu.com/"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.launchpad.net/ubuntu/"
PRIVACY_POLICY_URL="https://www.ubuntu.com/legal/terms-and-policies/privacy-policy"
UBUNTU_CODENAME=noble
LOGO=ubuntu-logo

$ cat /etc/default/locale
LANG=en_US.UTF-8

$ timedatectl | grep "Time zone"
                Time zone: Etc/UTC (UTC, +0000)

$ cat /etc/default/keyboard
XKBMODEL="pc105"
XKBLAYOUT="jp"
XKBVARIANT=""
XKBOPTIONS=""
BACKSPACE="guess"

$ hostname
ubuntu

$ ip a
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
    link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
    inet 127.0.0.1/8 scope host lo
       valid_lft forever preferred_lft forever
    inet6 ::1/128 scope host noprefixroute
       valid_lft forever preferred_lft forever
2: enp0s8: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000
    link/ether 08:00:27:28:74:25 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 10.0.2.15/24 metric 100 brd 10.0.2.255 scope global dynamic enp0s8
       valid_lft 84622sec preferred_lft 84622sec
    inet6 fd00::a00:27ff:fe28:7425/64 scope global dynamic mngtmpaddr noprefixroute
       valid_lft 86132sec preferred_lft 14132sec
    inet6 fe80::a00:27ff:fe28:7425/64 scope link
       valid_lft forever preferred_lft forever
3: enp0s9: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000
    link/ether 08:00:27:5d:c9:b1 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 192.168.56.3/24 metric 100 brd 192.168.56.255 scope global dynamic enp0s9
       valid_lft 84625sec preferred_lft 84625sec
    inet6 fe80::a00:27ff:fe5d:c9b1/64 scope link
       valid_lft forever preferred_lft forever

$ sudo cat /etc/netplan/50-cloud-init.yaml
network:
    ethernets:
        enp0s8:
            dhcp4: true
        enp0s9:
            dhcp4: true
    version: 2

$ ping 8.8.8.8
PING 8.8.8.8 (8.8.8.8) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=1 ttl=255 time=8.10 ms

$ cat /etc/passwd | grep ubuntu
ubuntu:x:1000:1000:ubuntu:/home/ubuntu:/bin/bash

$ ls -l /etc/ssh/ssh_host_*_key.pub
-rw-r--r-- 1 root root 173 Dec 13 07:08 /etc/ssh/ssh_host_ecdsa_key.pub
-rw-r--r-- 1 root root  93 Dec 13 07:08 /etc/ssh/ssh_host_ed25519_key.pub
-rw-r--r-- 1 root root 565 Dec 13 07:08 /etc/ssh/ssh_host_rsa_key.pub

$ ssh-keygen -lf /etc/ssh/ssh_host_ecdsa_key.pub
256 SHA256:XonJYgM2Wno7ezMeGynk2tvoRsqyxh+aAA5ntNiJ3B0 root@ubuntu (ECDSA)

$ ssh-keygen -lf /etc/ssh/ssh_host_ed25519_key.pub
256 SHA256:JOUXVzItaxmQchZfw6VNXbgkl1NMuU/0lnrCnUX1mo8 root@ubuntu (ED25519)

$ ssh-keygen -lf /etc/ssh/ssh_host_rsa_key.pub
3072 SHA256:uAciglpU/t8CIwrAwzUbUhRKbcv1zg9ZTA5b7fErL10 root@ubuntu (RSA)

初期設定

タイムゾーン

UTC から日本のタイムゾーンに変更します。

# 変更前の確認
$ timedatectl | grep "Time zone"
                Time zone: Etc/UTC (UTC, +0000)

$ ls -l /etc/localtime
lrwxrwxrwx 1 root root 27 Dec 14 13:45 /etc/localtime -> /usr/share/zoneinfo/Etc/UTC

$ timedatectl list-timezones | grep Tokyo
Asia/Tokyo

# 変更
$ sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo

# 変更後の確認
$ timedatectl | grep "Time zone"
                Time zone: Asia/Tokyo (JST, +0900)

$ ls -l /etc/localtime
lrwxrwxrwx 1 root root 30 Dec 14 22:59 /etc/localtime -> /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo

$ date
Sun Dec 14 11:00:51 PM JST 2024

変更後に/etc/timezone を見ると変わっていませんでした。
Ubuntu 22.04 では変わったのですが。。

$ cat /etc/timezone
Etc/UTC

ネットワーク:ホスト名

インストール時に仮で登録していたホスト名を変更します。

$ hostname
ubuntu

$ sudo hostnamectl set-hostname a.sample

$ hostname
a.sample

ネットワーク:IP アドレス (IPv4)

ゲストOS に固定アドレスを設定します。

ホストOS 側でゲストOS に固定アドレスを割り当てられる方法がないか調べましたが、どうやらできないようです。(”あとがき”参照)

Netplan を使って、ゲストOS に192.168.56.11 が割れ当てられるように設定します。

$ sudo vi /etc/netplan/99-config.yaml

network:
  version: 2
  renderer: networkd
  ethernets:
    enp0s8:
      dhcp4: true
    enp0s9:
      dhcp4: false
      dhcp6: false
      addresses: [192.168.56.11/24]

$ sudo chmod 600 /etc/netplan/99-config.yaml

$ sudo netplan apply

$ ip a show dev enp0s9
3: enp0s9: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP group default qlen 1000
    link/ether 08:00:27:5d:c9:b1 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
    inet 192.168.56.11/24 brd 192.168.56.255 scope global enp0s9
       valid_lft forever preferred_lft forever
    inet6 fe80::a00:27ff:fe5d:c9b1/64 scope link
       valid_lft forever preferred_lft forever

ホストOS 側(Mac)のhosts に登録してホストOS からドメイン名で名前解決されるようにします。

% sudo vi /etc/hosts

192.168.56.11 a.sample

ゲストOS に登録したドメイン名で名前解決ができることを確認します。

% ping -c 1 a.sample
PING a.sample (192.168.56.11): 56 data bytes
64 bytes from 192.168.56.11: icmp_seq=0 ttl=64 time=0.947 ms

SSH

SSH サーバの状態と、ゲストOS のローカル環境でSSH 接続できることを確認します。

$ systemctl is-enabled ssh
disabled

$ systemctl is-active ssh
active

$ ssh ubuntu@localhost

$ exit

disabled なので自動起動の設定が無効になっていますが、このまま進めます。

ファイアウォール の状態を確認し、SSH 向けポート番号22 をアクセス許可する設定を登録します。
登録したらファイアウォールを有効にします。

$ sudo ufw status verbose
Status: inactive

$ sudo ufw app list
Available applications:
  OpenSSH

$ sudo ufw allow 'OpenSSH'
Rules updated
Rules updated (v6)

$ sudo ufw enable
Command may disrupt existing ssh connections. Proceed with operation (y|n)? y
Firewall is active and enabled on system startup

$ sudo ufw status verbose
Status: active
Logging: on (low)
Default: deny (incoming), allow (outgoing), disabled (routed)
New profiles: skip

To                         Action      From
--                         ------      ----
22/tcp (OpenSSH)           ALLOW IN    Anywhere
22/tcp (OpenSSH (v6))      ALLOW IN    Anywhere (v6)

ホストOS 側(Mac)からゲストOS にSSH 接続できることを確認します。
※ 5行目では事前に確認していたホスト鍵のフィンガープリント(Ed25519)を入力しています

% ssh [email protected]
The authenticity of host 'a.sample (192.168.56.11)' can't be established.
ED25519 key fingerprint is SHA256:JOUXVzItaxmQchZfw6VNXbgkl1NMuU/0lnrCnUX1mo8.
This key is not known by any other names.
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? SHA256:JOUXVzItaxmQchZfw6VNXbgkl1NMuU/0lnrCnUX1mo8
Warning: Permanently added 'a.sample' (ED25519) to the list of known hosts.
[email protected]'s password:
Welcome to Ubuntu 24.04.1 LTS (GNU/Linux 6.8.0-50-generic aarch64)

 * Documentation:  https://help.ubuntu.com
 * Management:     https://landscape.canonical.com
 * Support:        https://ubuntu.com/pro

 System information as of Fri Dec 13 02:56:03 PM UTC 2024

  System load:             0.0
  Usage of /:              40.3% of 10.70GB
  Memory usage:            8%
  Swap usage:              0%
  Processes:               92
  Users logged in:         1
  IPv4 address for enp0s8: 10.0.2.15
  IPv6 address for enp0s8: fd00::a00:27ff:fe28:7425


Expanded Security Maintenance for Applications is not enabled.

70 updates can be applied immediately.
To see these additional updates run: apt list --upgradable

Enable ESM Apps to receive additional future security updates.
See https://ubuntu.com/esm or run: sudo pro status

% exit

ネットワーク:ソケット

接続待ちのソケットの状態を確認します。

$ ss -lnt
State       Recv-Q      Send-Q           Local Address:Port           Peer Address:Port      Process
LISTEN      0           4096             127.0.0.53%lo:53                  0.0.0.0:*
LISTEN      0           4096                127.0.0.54:53                  0.0.0.0:*
LISTEN      0           4096                         *:22                        *:*

$ ss -lnu
State      Recv-Q      Send-Q              Local Address:Port           Peer Address:Port     Process
UNCONN     0           0                      127.0.0.54:53                  0.0.0.0:*
UNCONN     0           0                   127.0.0.53%lo:53                  0.0.0.0:*
UNCONN     0           0                10.0.2.15%enp0s8:68                  0.0.0.0:*

パッケージの更新

パッケージを最新に更新します。

$ sudo apt update

$ sudo apt upgrade

ネットワーク:ポートスキャン

ホストOS からゲストOS の開いているポートを確認します。

% sudo nmap -n -v a.sample
Starting Nmap 7.95 ( https://nmap.org ) at 2024-12-21 12:30 JST
Initiating ARP Ping Scan at 12:30
Scanning a.sample (192.168.56.11) [1 port]
Completed ARP Ping Scan at 12:30, 0.02s elapsed (1 total hosts)
Initiating SYN Stealth Scan at 12:30
Scanning a.sample (192.168.56.11) [1000 ports]
Discovered open port 22/tcp on 192.168.56.11
Completed SYN Stealth Scan at 12:30, 4.30s elapsed (1000 total ports)
Nmap scan report for a.sample (192.168.56.11)
Host is up (0.00070s latency).
Not shown: 999 filtered tcp ports (no-response)
PORT   STATE SERVICE
22/tcp open  ssh
MAC Address: 08:00:27:5D:C9:B1 (PCS Systemtechnik/Oracle VirtualBox virtual NIC)

Read data files from: /opt/homebrew/bin/../share/nmap
Nmap done: 1 IP address (1 host up) scanned in 4.35 seconds
           Raw packets sent: 2003 (88.116KB) | Rcvd: 5 (204B)

SSH の22/TCP のみ検出されました。

あとがき

一通りの作業が終わり、やり残した感があることを書いておきます。

  • Ubuntu Server、今度は最小構成でインストールしてみよう
  • SSH サーバの設定で公開鍵をGitHub から登録する手順をやってみたい
  • 新しい仮想マシンの作成で自動インストールを有効にするとどうなるか試してみたい

VboxManageというCLIツール

VirtualBox にVboxManage というCLI ツールがあったので、今回少し触ってみました。

ホストOS 側でゲストOS に固定アドレスを割り当てたかったのですが、画面上ではそのような設定がなかったので、VboxManage でできないか調べましたが見つかりませんでした。その調査過程のメモです。

VirtualBox のDHCP サーバーを確認

% VBoxManage list dhcpservers
NetworkName:    HostInterfaceNetworking-vboxnet0
Dhcpd IP:       192.168.56.100
LowerIPAddress: 192.168.56.101
UpperIPAddress: 192.168.56.254
NetworkMask:    255.255.255.0
Enabled:        Yes
Global Configuration:
    minLeaseTime:     default
    defaultLeaseTime: default
    maxLeaseTime:     default
    Forced options:   None
    Suppressed opts.: None
        1/legacy: 255.255.255.0
Groups:               None
Individual Configs:   None

ホストオンリーネットワークを確認

% VboxManage list hostonlynets
Name:            HostNetwork
GUID:            02bbf065-ee56-4ee5-aa05-c07358e4aad0

State:           Enabled
NetworkMask:     255.255.255.0
LowerIP:         192.168.56.1
UpperIP:         192.168.56.199
VBoxNetworkName: hostonly-HostNetwork

VirtualBox のDHCPには、VirtualBox がNAT の接続で内部的に使っているDHCP と、ホストオンリーネットワークのDHCP の2種類がある。
ゲストOS のホストオンリーネットワークを割り当てたアダプターにIPアドレスを割り当てるのは、後者の方。

内部的に使っているDHCP サーバーでは、固定アドレスを割り当てる方法がありました。(欲しいのはこれではない)

VBoxManage dhcpserver modify <--network=netname | --interface=ifname> <--mac-address=address> [--fixed-address=address]

ホストオンリーネットワークのDHCP サーバーに同様のコマンドがないか調べましたが見つかりませんでした。

% VBoxManage hostonlynet
Usage - Host Only Network management:

  VBoxManage hostonlynet add <--name=netname> [--id=netid] <--netmask=mask> <--lower-ip=address>
      <--upper-ip=address> [--enable | --disable]

  VBoxManage hostonlynet modify <--name=netname | --id=netid> [--lower-ip=address] [--upper-ip=address]
      [--netmask=mask] [--enable | --disable]

  VBoxManage hostonlynet remove <--name=netname | --id=netid>

VboxManage のヘルプは、コマンドを途中まで入力して実行したり、help にサブコマンドを指定して確認できます。

$ VboxManage
 〜 省略 〜

$ VboxManage list
Usage - View system information and VM configuration details:

  VBoxManage list [--long] [--platform-arch= x86 | arm] [--sorted] [bridgedifs | cloudnets |
      cloudprofiles | cloudproviders | cpu-profiles | dhcpservers | dvds | extpacks | floppies | groups |
      hddbackends | hdds | hostcpuids | hostdrives | hostdvds | hostfloppies | hostinfo | hostonlyifs |
      hostonlynets | intnets | natnets | ostypes | ossubtypes | runningvms | screenshotformats |
      systemproperties | usbfilters | usbhost | vms | webcams]

$ VboxManage help list
 〜 省略 〜

参照

Mac(Apple silicon)にVirtualBoxをインストール

VirtualBox のバージョン7.1 でApple siliconmacOS をサポートしたのでインストールしてみました。

環境

M1 ProチップのMacBook Pro にインストールします。
OS はmacOS Sonoma(14.6.1)です。

インストール方法の確認

VirtualBox のイメージファイルをダウンロードできるサイトとHomebrew を調べてみました。

結論になりますが、VirtualBox 公式サイトからApple silicon に対応した最新版のイメージファイルをダウンロードしてインストールすることにしました。
それ以外は、Applie silicon に対応した最新版が提供されていませんでした。(今後変わるかもしれませんが、2024.12.1時点ではそのような状態でした)

VirtualBox公式サイト

VirtualBox 公式サイトのダウンロードページにアクセスします。

VirtualBox Platform Packages というのがあり、VirtualBox 7.1.4 platform packages と記載されています。
バージョン7.1.4 がダウンロードできます。

トップページから、Recent Releases のRead More というリンクをクリックして表示されるNews のページを見ると、7.1.4 が最新のようでした。(2024.12.1 時点)

  • News – VirtualBox公式

Oracle公式サイト

Oracle 公式サイトのVirtualBox のダウンロードページにアクセスします。

Oracle VM VirtualBox Base Packages – 7.0.22 というのがあります。
ダウンロードできるのはバージョン7.0.22 のようです。
Apple silicon のサポートはバージョン7.1 からなので、x86 (Intel) 版しかダウンロードできないようです。

Homebrew

Homebrew のサイトでパッケージを検索します。
※ 検索キーワード:virtualbox

パッケージ名 virtualbox が見つかりました。
Current version: 7.1.4,165100 なので最新版7.1.4 ですが、Virtualiser for x86 hardware となっています。
よく分かりませんが、x86 (Intel) 版のみのようです。

下の方を見ると、Conflicts with casks にパッケージ名virtualbox@beta というのがあり、バージョンが7.1.5-165995Virtualizer for x86 and arm64 hardware となっていたのでリンク先を見てみます。

VirtualBox 公式サイトで公開されている7.1.4 より新しいApple silicon 対応版の7.1.5 ですが、パッケージ名からベータ版のようです。

手順

以下、VirtualBox 公式サイトからApple silicon に対応した最新バージョン7.1.4 のイメージファイルをダウンロードしてインストールします。(2024.12.1 時点)

1. ダウンロード

VirtualBox 公式サイトのダウンロードページにアクセスします。

VirtualBox Platform PackagesmacOS / Apple Silicon hosts をクリックして.dmg ファイルをダウンロードします。
VirtualBox-7.1.4-165100-macOSArm64.dmg というファイルがダウンロードされました。

続けて、下のFile ChecksumsSHA256 checksums をクリックしてチェックサムファイルをダウンロードします。
SHA256SUMS というファイルがダウンロードされました。

ダウンロードしたファイルに破損などがないか、チェックサムを確認します。
※ ダウンロードした2つのファイルを同じ場所に保存して、以下のコマンドを実行します。

% grep VirtualBox-7.1.4-165100-macOSArm64.dmg SHA256SUMS | shasum -a 256 -c
VirtualBox-7.1.4-165100-macOSArm64.dmg: OK

OK と表示されました。大丈夫そうです。

2. VirtualBox のインストール

ダウンロードしたdmg ファイルをダブルクリックします。
以下のウィンドウが表示されます。

VirtualBox.pkg” のアイコンをダブルクリックします。

はじめに
[続ける] をクリックします。

インストール先
希望するインストール先を選択して、[続ける] をクリックします。
※ “このコンピュータのすべてのユーザ用にインストール” を選択しました

インストールの種類
カスタマイズできるようなので、[カスタマイズ] をクリックします。

Command Line Utilities” が選択できるようになっていました。
デフォルトのチェックON のまま、[インストール] をクリックします。

概要
インストールが完了しました” と表示されたら、[閉じる]をクリックします。

VirtualBox のインストールはこれで完了です。

3. VirtualBox の初回起動

続けて、インストールしたVirtualBox を起動します。

VirtualBox アイコン

Launchpad のVirtualBox アイコンをダブルクリックします。

ようこそVirtualBoxへ!” という画面が表示されました。

4. Experience Mode の選択

起動した画面にExperience Mode について説明が書かれていました。

デフォルトはBasic Mode で一部のオプションやツール、ウィザードが非表示になっていて、Expert Mode にするとそれらを表示できるようです。

  • Basic Mode
    • 高度な機能に興味がなく、シンプルなUIを好むユーザー向け
  • Expert Mode
    • 全ての機能を使いたい経験者向け

右にあるボタンで選択できるようなのでクリックすると、ボタンと説明書きが消えました。

BasicExpert の切替は、[環境設定] をクリックして表示されるPreferences 画面の左上でできるようになっています。

どういう機能があるか把握しておきたいので、Expert Mode を選択することにしました。

5. VirtualBox Extension Pack を有効にする

メニューの[ファイル] > [ツール] > [機能拡張パックマネージャー] をクリックします。

一覧に”Oracle VM VirtualBox Extension Pack” が表示されていますが、有効欄に赤い[]マークが表示されていて、バージョンが7.0.0r153978 となっています。

VirtualBox 公式サイトに本体と同じバージョン7.1.4 のExtension Pack があったので、現在インストールされているものを削除し、バージョン7.1.4 のExtension Pack をインストールします。

まず、一覧のExtension Pack を選択し、[アンインストール] をクリックします。

確認メッセージが表示されたら、[除去] をクリックします。
一覧から消えました。

続けて、VirtualBox 公式サイトのダウンロードページにアクセスします。

VirtualBox Extension PackVirtualBox 7.1.4 Extension Pack と記載されています。

[PUEL License FAQ] をクリックして表示されるページでExtension Pack のライセンスの内容を確認します。

VirtualBox Extension Pack は、個人または教育の用途であれば無料で利用でき、ほとんどの商用または非配布の用途には有償で利用できる、と書かれています。

元の画面に戻り、[Accept and download]クリックしてExtension Pack のファイルをダウンロードします。
Oracle_VirtualBox_Extension_Pack-7.1.4.vbox-extpack というファイルがダウンロードされました。

ダウンロードしたファイルに破損などがないか、チェックサムを確認します。
※ 既にダウンロードしているチェックサムファイルと同じ場所に保存して、以下のコマンドを実行します。

% grep Oracle_VirtualBox_Extension_Pack-7.1.4.vbox-extpack SHA256SUMS | shasum -a 256 -c
Oracle_VirtualBox_Extension_Pack-7.1.4.vbox-extpack: OK

OK と表示されました。大丈夫そうです。

ダウンロードしたExtension Pack のファイルをダブルクリックします。

確認メッセージが表示されたら、[インストール] をクリックします。

ライセンスを確認するウィンドウが表示されたら、[同意します] をクリックします。

一覧に”Oracle VirtualBox Extension Pack” が表示され、有効欄が緑のチェックマークでバージョンが7.1.4r165100 になっています。

6. ネットワークの設定を確認する

メニューの[ファイル] > [ツール] > [ネットワークマネージャー] をクリックします。

ホストオンリーネットワークに設定されている一覧が表示されます。
[プロパティ] をクリックすると、一覧で選択しているホストオンリーネットワークに設定されている値が下に表示されるので、適宜変更します。
今回は、変更せずにデフォルトのまま使うことにしました。

あとがき

次回、VirtualBox に仮想マシンをインストールする手順を解説する予定です。
※ 下記、インストールしたいOS

  • Ubuntu Server 22.04
  • Rocky Linux 8
  • AlmaLinux 8

参照